何を隠そう、木曜の男でございます。
強い日差しに突発的な夕立と、やっとサンパウロは夏らしくなって参りました。
と言っても、この時期でこの暑さは異常らしいですけどね。
さてさて、前回の続きでございます。
前回は、ブラジルで出版されている日本の漫画についてお話しました。
今朝、メトロに乗っていると、目の前の若者がワンピースのパーカーを着て、
るろうに剣心を読んでおりました。
ちょっと嬉しくなりますね。
話を元に戻しましょう。
さて、日本の漫画のセリフがブラジルで翻訳されると、
文化の違いからイマイチ違った風味になってしまうようです。
では、分かり易いワンピースの名シーンでご説明しましょう。
右で叫んでいるのが、トナカイなクセに人間になる果物を食べてしまった
トニートニーチョッパーというキャラクター。
名医の元で医術を習得したのですが、今回この漫画の主人公が
「おれの船の仲間になれ。」
とヘッドハンティングされ、「おれ海賊になるよ。」と師匠に伝えるも、
「海賊になるなんて、絶対許さん!!」
と、包丁を持って彼を追いかけまわすのです。
ところが、このお師匠、口は悪いが本音は別。
慌てて船出の用意をして出て行った彼に、桜の花火を打ち上げて、
船出を祝うのです。
そして、このセリフ。
「行っといで、バカ息子・・・」
さぁ、これが、ブラジルの翻訳になると、
ポーヂ イール... フィリーニョ…
行っといで... 坊や…
となってしまうのです。
Filho フィーリョ →息子
ですが、それよりももっと可愛いらしくて、幼い息子という意味で、
Filhinho フィリーニョ →坊や
としています。
(ちなみに、娘はFilha もっと可愛くしてFilhinha となります。)
では、 「バカ息子=坊や」なのか?
翻訳が坊やであれば、元はチビであれば、しっくりきますが、
なんか、微妙に違うのです。
日本では、人を貶す言葉に愛情を感じる事があります。
「ホントにあのバカ息子は。」
「おまえは本当にアホだなぁ。」
「こんのクソガキめ。」
こういった表現を聞きながら育つ子供も日本では多いでしょう。
(ま、私は本当にそう思われて育てられたかもしれませんが・・・。)
でも、それでもすくすく育つ子供は、親がそれを本気で言ってない事を、
感じ取っているからでしょう。ウソだって子供は分かっているのです。
親はきっと、バカをつけることで、
自分の親バカぶりを抑止しようとしているのです。
だからこそ、この「坊や」という表現が非常に物足りなく感じてしまいます。
ですが、文化が違うとピッタリな言葉や表現そのものがないのかもしれません。
ちなみにうちのおかんは、素直になりなさい。とよく叱っていました。
ある寒い冬の日、
「あんたなんか、このウチを出ていけ!!」
と怒られて、
「わかりました。」
と素直に家出したら、おいらを一晩中、一生懸命探して、
「なんで、出て行ったの!!」
と、涙ながらにまた怒られるという、不思議な出来事がありました。
その他、数多くの不思議な出来事や不思議な矛盾を感じて育ってきましたが、
そうすると、このような木曜の男が出来上がります。
皆様、お気をつけ下さいませ。
楽々サンパウロなんて、買うんじゃないっ!!
さて、一句
「バカ」や「アホ」
愛情一つで、
褒め言葉
では、また来週の木曜日にお会いしましょう。
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