2008年8月28日木曜日

演劇情報 os satyros "Vestido de noiva"

Nelson Rodrigues作"Vestido de noiva(ウェディング・ドレス)を観て来ました。Nelson Rodrigues(1912-1980)はブラジルで最も有名な劇作家。この"vestido de noiva"は彼の2作目で、1940年代初めに上演され大ヒットを記録したそうです。交通事故に会って救急病院に運ばれた若い女性がぼんやりとした意識の中で自分の過去を思い出す、という設定なのですが事実と妄想が入り交じり、観ている者にはどれが現実でどれが妄想なのか最後までよく分かりません。
この芝居に連れて行ってくれたブラジル人の友人によると、os satyrosの演出は原作の設定をかなり変更しているそうです。os satyrosはPindorama2007年10月号で紹介しています。

セリフは分かりやすい語彙を用いており、発声もはっきりしているので、ポルトガル語がそれほど出来ない方でも楽しめると思います。
主役の女優Cléo de Paris(写真右端 os satyrosに入って4年目くらいだそうです)のぴんと張りつめたそれでいて何とも官能的な表情にみとれているだけで満足の80分でした。
プロジェクターを用いた映像と実演の掛け合いもなかなか見応えがあります。

抜粋映像をyoutubeで観ることが出来ます。
http://jp.youtube.com/watch?v=SKSPyy3jTUE

会場:Centro Cultral São Paulo
Rua Vergueiro,1000 - Paraíso(地下鉄 vergueiro駅すぐそば)
tel (11) 3383-3402
9/7(日)まで     木・金・土 21時〜/日 20時〜 15レアル  (布施)

2008年8月21日木曜日

美術展情報 ヴォルプスヴェーデ派展

現在MASPで開催中の「最初のドイツ表現主義 パウラ・モーダーゾーン・ベッケルとヴォルプスヴェーデの芸術家たち Primeiro Expressionismo Alemão : Paula Modersohn-Becker e os Artistas de Worpswede - desenhos e Gravuras」は見応えあり。19世紀末にブレーメン郊外のヴォルプスヴェーデ村に集
まり共同生活をした芸術家たち(ヴォルプスヴェーデ派)の素描・版画を展示。
中でもハインリヒ・フォーゲラーHeinrich Vogelerという人の
作品は、ロマンチックであり

ながら絵の構図全体がどこか歪んだ印象を与え、観る者を不安にさせずにおかない(左写真)。
日本の画家・靉光(あいみつ)とどこか通じるところがあるような気がしました(下写真)。
彼は第一次対戦中、ソ連のスパイの摘発に従事しているうちに社会主義に同調、共産党

員になる。戦後ソ連に亡命したがスパイ容疑をかけられシベリア送りになり、そこで死亡したそう。(〜10/5まで)
MASP  Av.Paulista 1578. 火曜は無料です。(布施)

2008年8月20日水曜日

美術展情報 ブラジルの版画展


Caixa Cultural São Pauloで現在開催中の「ブラジルの版画展 A GRAVURA BRASILEIRA」に行って来ました。
Iberê CamargoやLasar Segall,Portinari等有名な作家の作品が多数展示されており、なかなか見応えがありました。
この美術館は現代美術の展示が多く、10回に1回くらいしか面白いと思える展示がないのですが、今回の展示は見る価値あり!!です。
お勧めはSônia Castroという人(どういう作家か全く分かりません)の作品で、画面手前に一人の女性が椅子に座り、画面後方に人々が列を作って彼女を見つめている絵です。
うまく説明しづらいのですが、女性の表情や、彼女と人々の列の間の空間からまがまがしいオーラが発せられており、見る人を釘付けにする力があります。
展示してある絵の写真を入手できなかったので、Sônia Castroの別の作品をアップしておきます(この絵は今回の展示会には出品されておりません)。
Caixa Cultural São Paulo
Galerias Dom Pedro Ⅱ e Neuter Michelon, Praça da Sé, 111
9/14まで、入場無料、展示会はterra とprimeira andarの2会場に分かれています。(布施)

2008年8月7日木曜日

映画「ラストゲーム 最後の早慶戦」上映決定!!

来週末に日本から早稲田・慶応両大学の野球チームがブラジルを訪れ早慶戦を行います。それに関連して今年制作されたばかりの「ラストゲーム 最後の早慶戦」の特別上映が開かれます。
戦時中「野球は敵国のアメリカのスポーツだ」と六大学野球が廃止、学生に対する徴兵の猶予が停止される中、関係者たちの必死の努力で「最後の」早慶戦が開かれる... 
監督は「ハチ公物語」「大河の一滴」の神山征次郎。キャストは柄本明・石坂浩二・藤田まこと・富士純子ら。
8月13日(水)文化福祉協会(地下鉄サンジョアキン駅より徒歩5分)にて。入場料3レアル(会員は無料)。(布施)

木暮実千代・・・


昨日、編集部を猪狩武久(いがり たけひさ)さんが訪れました。猪狩さんは現在パラグアイ在住。日本にいた頃女優の木暮実千代さんのマネージャーを長年勤め、その時の思い出をまとめた本の出版の準備をしているとのこと。10月頃に発行の予定。猪狩さんは今から30年前にアマゾンでゴム採集に従事した経験があり、その時の記録と写真を「アマゾン滞在340日」という本にまとめています。他にもテレビ番組の企画(内容はマル秘だそうです)を現在準備中とのこと。今後の活動が楽しみです。(布施)

2008年8月5日火曜日

南研子さん講演会


昨日(8/4)「ブラジルを知る会 第21回講演会」の取材に行って来ました。講師は南研子氏とパウロ・ピナジェ氏の二人、テーマは「消えつつあるアマゾンの森・現場からの報告」。南さんは毎年アマゾンのシングーインディオ国立公園を訪れ、先住民とともに暮らし、支援活動を行っている方で熱帯森林保護団体(RFJ)の代表、パウロさんはRFJの協力者。南さんはPindorama 2006年9月号にインタビューが掲載されています。つい最近アマゾンから帰ったばかりの南さんは今回撮影した写真をスライド上映しながら、約1時間インディオの生活・思想について熱く語りました。パウロさんはインディオ社会の色んな仕組み・風習について分かり易く、流暢な日本語を織り交ぜながら解説してくれました。講演の内容はPindorama9月号に掲載いたしますのでお楽しみに。(布施)